AWS Chatbotで複数リージョンのAWS Health Dashboardの内容をSlackに通知する
AWS Chatbotを使ってAWS Health Dashboardの内容をSlackに通知してみました。 何かあったときに見に行くよりは、自動で教えてくれる(Slackに通知がくる)ので便利です。
画面ポチポチでも簡単に実現できますが、複数のAWSアカウントや複数のリージョンで実施することを想定して、CloudFormationで作成します。
本記事では、複数リージョンのAWS Health Dashboardの内容をひとつのSlackチャンネルに通知します。
おすすめの方
- AWS Health Dashboardの内容をAWS ChatbotでSlackに通知したい方
- Amazon EventBridgeの内容をAWS ChatbotでSlackに通知したい方
重要
EventBridgeのルールは、リージョン毎に作成する必要があります。 グローバルサービスの場合は、バージニア北部です。
本記事では、東京とバージニア北部の2つのリージョンを扱います。
AWS Chatbotを準備する
Slackワークスペースの認証とワークスペースID取得
WebコンソールでAWS Chatbotにアクセスし、ワークスペースを追加します。下記のワークスペースIDはあとで必要なのでメモしておきます。
SlackチャンネルIDを取得
任意のチャンネルのリンクを取得します。
このリンクの最後の文字列を使います。下記例だとABCD1234
がチャンネルIDです。
https://classmethod.slack.com/archives/ABCD1234
EventBridgeとSNSトピックを各リージョンにデプロイする
まずは、EventBridgeとSNSトピックを各リージョンにデプロイします。 今回は、CloudFormation StackSetsを利用して、2つのリージョンにデプロイします。
もしもリージョン毎に通知条件を変えたい場合は、CloudFormation StackSetsを使わずに個別デプロイしてください。 (リージョンAは全てのサービス、リージョンBはSESのみ、など)
CloudFormation StackSetsの事前準備
次を参考にして、2つのIAMロールを作成します。
- CloudFormation StackSetsを指示するIAMロール
- CloudFormation StackSetsを実行するIAMロール
CloudFormationテンプレート
今回は、AWS Health Dashboardのすべてのイベントを通知します。 一部のイベントのみを通知したい場合は、EventBridgeでフィルタリングしてください。
AWSTemplateFormatVersion: "2010-09-09" Description: SNS Topic and EventBridge for Health Dashboard Parameters: Env: Type: String Default: dev Resources: HealthDashboardForChatbotTopic: Type: AWS::SNS::Topic Properties: TopicName: !Sub notify-slack-health-dashbord-topic-${Env} HealthDashboardForChatbotTopicPolicy: Type: AWS::SNS::TopicPolicy Properties: PolicyDocument: Statement: - Effect: Allow Principal: Service: events.amazonaws.com Action: sns:Publish Resource: '*' Topics: - !Ref HealthDashboardForChatbotTopic SubscribeHealthDashboardEventRule: Type: AWS::Events::Rule Properties: EventPattern: source: - aws.health Targets: - Id: HealthDashboardForChatbotTopic Arn: !Ref HealthDashboardForChatbotTopic
CloudFormation StackSetsでデプロイする
流れるままに進んでいきます。
StackSets名は「notify-slack-health-dashbord-topic」としました。
リージョンは、東京とバージニア北部を選択します。
なお、最近追加されたリージョンは、デフォルトで無効状態です。そのため、「すべてのリージョン」を選択した場合は、必要に応じて除外してください。 無効化されたリージョンに対してCloudFormation StackSetsを実行すると、「無効なリージョンのため実行できません」的なエラーが出ます。
- 中東 (バーレーン)
- アフリカ (ケープタウン)
- アジアパシフィック (香港)
- 欧州 (ミラノ)
準備ができたので、実行します。ステータスが SUCCEEDED になるまで待ちます。
EventBridgeとSNSトピックのデプロイが終わりました。
AWS Chatbotのチャンネル設定をデプロイする
続いて、各リージョンのSNSトピックを受け取ってSlackに通知する部分をデプロイしていきます。
CloudFormationテンプレートファイル
SNSトピックは各リージョンにあるため、ARNを直接記載しています。
また、次のパラメータをデプロイ時に渡しています。必要に応じてパラメータストアを使うなどしてください。
- Env
- SlackWorkspaceId
- SlackHealthDashboardChannelId
AWSTemplateFormatVersion: "2010-09-09" Description: AWS Chatbot and Health Dashboard Parameters: Env: Type: String Default: dev SlackWorkspaceId: Type: String SlackHealthDashboardChannelId: Type: String Resources: NotifySlackChatbot: Type: AWS::Chatbot::SlackChannelConfiguration Properties: ConfigurationName: !Sub notify-slack-health-dashbord-${Env} IamRoleArn: !GetAtt NotifySlackChatbotIamRole.Arn LoggingLevel: INFO SlackWorkspaceId: !Ref SlackWorkspaceId SlackChannelId: !Ref SlackHealthDashboardChannelId SnsTopicArns: # リージョンの数だけ記載する - !Sub arn:aws:sns:ap-northeast-1:${AWS::AccountId}:notify-slack-health-dashbord-topic-${Env} - !Sub arn:aws:sns:us-east-1:${AWS::AccountId}:notify-slack-health-dashbord-topic-${Env} NotifySlackChatbotIamRole: Type: AWS::IAM::Role Properties: RoleName: !Sub notify-slack-health-dashbord-role-${Env} AssumeRolePolicyDocument: Version: 2012-10-17 Statement: - Effect: Allow Principal: Service: chatbot.amazonaws.com Action: sts:AssumeRole ManagedPolicyArns: - arn:aws:iam::aws:policy/CloudWatchReadOnlyAccess
デプロイ
ここでは、parameter-overrides
でパラメータを渡しています。
aws cloudformation deploy \ --template-file chatbot_health_dashboard.yaml \ --stack-name notify-slack-health-dashbord-chatbot-stack \ --capabilities CAPABILITY_NAMED_IAM \ --parameter-overrides \ Env=dev \ SlackWorkspaceId=xxx \ SlackHealthDashboardChannelId= ABCD1234 \ --no-fail-on-empty-changeset
動作を確認する
サンプルイベントを取得する
マネジメントコンソールのEventBridgeを見ると、サンプルイベントが分かります。 このサンプルイベントをコピーします。
SNSトピックでメッセージを送信する
東京リージョン
まずは、東京リージョンのSNSトピックで確認します。 作成したSNSトピックにメッセージを送信します。 メッセージは、さきほどコピーしたサンプルイベントです。 分かりやすいようにリージョン部分だけを東京に書き換えています。
バージニア北部リージョン
続いて、バージニア北部リージョンのSNSトピックにアクセスして、同様にメッセージを送信します。 リージョン部分をバージニア北部に書き換えています。
Slackに通知がきた!
バッチリです。
さいごに
AWS Health Dashboardの内容をSlackに通知してみました。 何かあったときに見に行くよりは、自動で教えてくれる(Slackに通知がくる)ので便利です。